ひとの悲しみをみたとき
自分も悲しくならずにいられるだろうか
ひとの嘆きをみて
やさしい慰めの
言葉を探さずに
いられるだろうか
ひとが流す涙をみて
自分の悲しみと
同じように胸が
痛まないだろうか
いやいや
そんなこと
ありえない
決して決して
そんなこと
ありえない
わが子が
泣きじゃくるのをみて
お父さんは
悲しみで胸が
満たされないだろうか
小さい子どもの
うめきや恐れをきいて
お母さんは
じっと座っていられるだろうか
いやいや
そんなこと
ありえない
決して決して
そんなこと
ありえない
『あの人』は
自分の喜びをすべてにあたえる
『あの人』は
小さな幼子になったんだ
『あの人』は
悲痛の人になったんだ
『あの人』は
悲しみも感じてくださる
君がため息をつくとき
『あの人』がそばにいないなんて
考えちゃいけない
君が涙を流すとき
『あの人』がそばにいないなんて考えちゃいけない
『あの人』は僕らに
喜びをわけあたえ
『あの人』は僕らの
嘆きを打ち破る
僕らの嘆きが
消え去るまで
『あの人』は
ずっと僕らの
そばにいる
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Songs of Innocence”On Another’s Sorrow”, William Blake 中山敦支訳
