アメリカ人の自己決定って、何かまっさらな状態から何の理由もなく選択するものというよりは、あらかじめ定められた(生まれつきの生物学的・社会的な)状態を遡及的に自己認識する、という側面が強い。人にはそれぞれ固有のオリジン――エスニシティであったり、セクシュアリティであったり――があって、人は本当の自分を(勝手に作るのではなく)発見しなくてはならない、という思想がある。その発見された自己のオリジンに依拠して自己決定するのが正しい自己決定だ、というわけ。日本人からすると、ときどきそれが「キャラを演じている」かのように見えてしまうのだけれど、彼らはガチで本気なのでそんなことを思っても言っちゃいけない。逆にアメリカでは「最近のマイブームはブラックカルチャーです」なんて再帰的に演じちゃいけない。だから、アメリカ流の自己決定論が日本人にとって息苦しく感じるのって、「自己のオリジンを発見すること」が「キャラを演じること」にすぎないと頭の片隅で思っちゃうからなのかもしれないよね。アメリカ人みたいに「自己のオリジン」をガチで信じられるようになったら、自己決定社会も楽なのかもね。

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